アレですか?
手にした者の願いを、ひとつだけ叶えるという幻の宝石“Tears of the Polestar”
その宝石は人の手から人の手へ……過去何百年に渡り、醜い争いの火種となっていた。
だが、5年前に謎の怪盗に盗まれて以来、“Tears of the Polestar”はその行方をくらます。
多くの者がその行方を追ったが、見つかることはなかった。女怪盗スピカもそれを追っていた一人だった。
ある大切な願いを叶えるために……。“Tears of the Polestar”が消えた直後、
目的を見失ったスピカは一線を退くことを決意し、その姿をくらました。だが、突然スピカの元に謎の人物から電話がかかってくる。
「先日、とある場所で“Tears of the Polestar”が見つかった。今は星月美術館内の金庫に保管されているが、明後日“Tears of the Polestar”は謎の集団ゾディアックに奪われることになるだろう」
謎の人物はそれだけを告げると、電話を切ってしまった。
“Tears of the Polestar”はスピカがずっと探し求めいた幻の宝石。
そして、たった一つの希望。他の誰かに奪われてたまるか――
スピカは一度退いた前線に戻ることを決意する。
だが、ゾディアックは「世界一の怪盗」と呼称される謎の集団。
メンバーは13人いるという……そんなゾディアックにスピカ一人で立ち向かうことは容易ではない。
そこでスピカは、かつての仲間であるカノープスに声をかける……。カノープスは即座に怪盗集団FMS(正式名称first magnitude star(ファーストマグニチュードスター))を結成する。
そうして集められた、それぞれの道のプロ。今回の計画の立案者で、指揮を担当するスピカ。
FMSのリーダーで、かつての女大怪盗であるカノープス。
スピカの昔からの腐れ縁で、天才詐欺師のシリウス。
暗殺を得意とするアルタイル。
カノープスの幼なじみで、通信のエキスパートのフォーマルハウト。
カノープスの秘書で、爆発物担当のアンタレス。
アルタイルの妹で、医術を得意とするデネブと、毒薬を得意とするベガ。
スピカの友人で、潜入やおとり捜査を得意とするベテルギウスとリゲル。集まった犯罪のドリームチームが、完璧なセキュリティに囲まれた金庫と、
謎の怪盗集団ゾディアックに立ち向かう。最初は楽勝かと思われたこの化かし合いは、スピカの恋によって意外な結末を迎える。
この願いの結末は!?
宝石の行方は!?
謎の人物の正体とは!?
そして、スピカの恋は!?今始まる、究極の化かし合い。
勝つのは、私たち――