人生8割綱渡り

自分の箱庭なので、多方向に対して気を使ったりはしない→理解不能という方は、まわれ右。

その3

まだちょっとドキドキしちゃうけれど、少しずつここにも慣れてきた。センセイの要求にも反応できるようになってきたし・・・そんな自分がちょっと嬉しかったりもする。今日はどんなことされちゃうんだろう?ちゃんとできるといいな。
そして椅子が倒されていく・・・。
もう何も言われなくても私は口を大きく開ける。ここ数回で身についた習慣だ。
『今日は最後まできちんとはめるからね』
センセイが私の顔を覗き込みながら早口にそう言いながら前回ほどこした部分をカリっとひっかくように触ってくる。
『・・・っ!』
想像以上の衝撃に体を縮めてしまった。痛い、痛い、痛い…声にならない叫びを視線に込めて訴えたのに、センセイはやめてくれる気配はない。
そうやってしばらくの間私のそこをひっかいた後
『ちょっと薬を入れるよ』
直後、刺激のある苦味が口いっぱいに広がった。そしてさんざんひっかかれたせいで神経が立ったそこに風を吹きかけてきた。
『!!!!』ビクッと体を固くしてその衝撃に耐えた。涙はもう出なかったけれど、つらくて苦しくて目をギュッとつぶった。
目を閉じると余計に恐怖が押し寄せてきて、怖くて怖くて目が開けられなくなる。そんなおかしなスパイラルに陥りながら、それでも私はセンセイの望むように口を大きく開ける。